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2006年 03月 01日
ヨーロッパやアフリカを旅していると必ず出会う、物乞いの風景。
日本ではあまり見かけない。 ホームレスとはまた違う、物乞い。 スーパーの出入り口に子供を連れて立っていたり、信号待ちの車に声を掛ける人も居れば、メッセージを書いたボードと空き缶を置いた横で地面につっぷした状態の人。 ホームレスほど衣服がボロボロなわけでもなく、鼻ピアスに長髪刈り上げスタイルの若者だったり(このスタイルの若者たちはなぜか必ず大型犬を連れている)、様々なのだ。 貧乏旅行していた私は、実際彼らに出会った場合断るようにしていたが、執拗に金を要求してくるわけではなかった。 日本から来た私にとって、彼らはなぜ働かないのか疑問だった。もし生活するに足りうる金を物乞いで得られれば、彼らは働くのだろうか。 貧しいからと人様から金をもらうより、「働け」と。 しかし、留学していた語学学校の授業でその話題が出たとき、ふと欧米人と日本人の考えに差があることに気づいた。 欧米は、キリスト教という宗教的な理由、また歴史的に階級社会であったという理由から、富めるものは貧しきものを救わなければならないという考えが根底にある。 悪く聞こえるかもしれないが、欧米での富めるものは、自分たちは貧しきものよりも立場が上だから、救ってあげなければ、という考えをすることが多い。 一方、日本人は、人類みな平等の精神で、蔑みもしないが、救いもしない。 人に甘える前に自分で何とかしなさい、という考えをすることが多い。 物乞いであるがゆえに、まっとうな仕事につけない悪循環も背景にあるけれども、日本とは異なり、移民も多く、貧富さが大きいヨーロッパでは、インドのカースト制度のように、物乞いという方法が金を得る一つの手段となっているという現実がうっすらと見えてきた気がする。
by colo-colo-blog
| 2006-03-01 16:19
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