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2003年 10月 31日
知り合いから聞いた話。
イタリアで何十年もツアーガイドをやっていたおじさん言ったそうな。 「イタリアで一番好きな町は、シエナだ。」 それを聞いて以来、私の中では、ヴェネツィア、アッシジと並んで、必ず訪れたい場所となっていた町シエナ。 今日の天気は曇り。 憧れの町を訪ねるには少し運に恵まれなかったが、フィレンツェから乗り込んだバスの車窓から、季節柄すでに枯れかけたトスカーナ地方の田園風景が見られたので、気分は悪くなかった。 バスを降りて、まず最初に目指すは「世界一美しい広場」と言われているカンポ広場。 中世の面影を存分に残すシエナの細い通りを見当つけて歩いていると、両脇に露天商が店を出している小さなトンネルの向こう側に、広場らしき空間が目に入ってきた。 トンネルを抜けて、広がる光景にしばし感動。 広場に面して立てられている塔を要にして、緩やかな上りの傾斜を付けるように扇形に空間が拡がっている。 この勾配によって広場全体が美しく見渡せて、なんとも中世からこんな設計技術を誇るイタリアの歴史に脱帽。 芸術うんぬん以前に、根底に計り知れない哲学が発達してるんだろうな。 存分にカンポ広場の美しさに見惚れたあとはドゥオーモにあるピッコロ図書館(LIBARALIA PICCOLO MINEA)へ。 名前に惹かれて訪ねてみた場所だが、ここは壁一面に描かれたフレスコ画が有名だそう。 図書館と言っても、小さな部屋の四方の壁に、(恐らく)聖歌の譜面ではないかと思われる巨大な本がガラスケースの中に並べられている。 ケースの上方の壁には一面、フレスコ画が描かれている。 フレスコ画というものがどういうものか知らなかったが、精細でカラフルな色使いにより、絵全体が明るく見える。 天井の装飾も細やかで、絵と絵との間に描かれている訳の分からない模様も良く良く見ると、複数の顔が描かれていて、表情が一つ一つ異なっている。 何より良かったのは、部屋の四方に椅子が並べられていて、あらゆる角度から座ってのんびり観察できるよう配慮されている。こういう気遣いが素晴らしい。 自宅に送る絵ハガキを書くため、もう一度カンポ広場に戻り、広場に面したBarの一つに入る。 カウンターでオーダーすると、「座って飲む?」と聞かれ、「じゃ6ユーロ。」と。 確かにイタリアのBarでは、座席料が取られるのは知っていたし、この有名なカンポ広場に面したオープン席なんだから、このくらい取られても仕方がないかと腹をくくる。 しかし痛いな。 旅の途中で、ハガキや日記を書くために座り込むことはしばしばある。 安心してBarでお茶できない観光大国イタリアの料金システムはこの先も私を首をしめるのだ。 頼んだカフェ・コンパンナは、小さなカップに入っていて、90%くらいが生クリームだった。 --- 昨日訪れたアッシジといい、シエナといい、規模が小さい町は統一感があって、タイムスリップしてしまうような雰囲気に飲まれてしまう。 ユースホステルもいいけど、節約して、その町ならではの宿屋に泊まれるよう頑張ろう。
by colo-colo-blog
| 2003-10-31 00:00
| イタリア
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